CEOʼS MESSAGE

代表取締役 神⽥こうだ宗俊からの
メッセージ

世界を舞台に挑む
最高のデザインと
最高のモノづくり

Photography & Copyright: Sohei Oya (Nacása & Partners Inc.)

「日本から1社でもよいので、欧米の家具ブランドと対等に渡り合える家具ブランドを生み出したい!」その想いひとつで、株式会社マルニ木工に籍を移したのが2009年。海外事業部門を立ち上げ世界を飛びまわった結果、30ヶ国にmaruniブランドが展開され、Apple本社にmaruniを代表するHIROSHIMAアームチェアを数千脚納品するような機会にも恵まれました。
日本を代表する家具ブランドの1社として、欧州を中心に存在感を発揮するブランドを構築する事ができたmaruni。しかしながら、見回してみると、日本の優れたモノづくりが同じように海外で存在感を発揮するケースは非常に少ない。海外に打って出る為の貿易専門知識、語学力、商習慣理解、ブランド戦略、マーケティングスキルといったノウハウは、容易に構築できるものではなく、なかでも海外販売チャネルの構築は日本の多くのメーカーさんにとって、最大のハードルの一つである事に気づき始めました。

これまで一つのブランドのために活用してきた専門知識やノウハウを活かし、日本のモノづくりの人々のために貢献したい。そんな強い想いを抱き、2018年3月5日に「株式会社マルニグローバルブランディング」(通称MGB)を設立しました。ここには親会社であるマルニ木工の「日本の家具製造業界全体のボトムアップを図り、日本の総合力で海外への展開を拡大し、業界の活性化を推進したい」という願いも託されての設立でした。

大きな希望を抱いて大海へ漕ぎ出したMGBですが、設立の翌年には米中の貿易摩擦が深刻化し、会社の業績も落ち込んで苦しい状況に見舞われました。必ず浮上する事を誓い、正念場として乗り出した3年目、その直後に起こったのが全世界を混乱に陥れた2020年のパンデミックでした。各国でロックダウンになり、1年のうち3分の1は海外を飛び回っていた我々も、日本にとどまざるを得ない状況に。普通ならばどうして良いか戸惑う場面かもしれません。しかし、MGBに集うメンバーはピンチをチャンスに変える術を知っていました。日本でじっとしておかなければならない今こそ、イノベーション(新規事業)に取り組む好機だと考えたのです。

アライアンスブランド『KOYORI』の立ち上げ

日本には優れたモノづくりがまだまだ存在する。しかも日本を代表する家具メーカーさんの中にはそれぞれ異なる工場特性を有するメーカーさんも多い。もしも、普段は競合している会社さん同士が手を取り合い、そこにMGBが、海外展開を可能にする能力や専門知識、ノウハウを提供する事が出来たなら、もしかするとこれまで日本の家具製造業の歴史上、類を見ないグローバルブランドを創出できるのではないだろうか。
この考えと願いに、遠く欧州ではRonan and Erwan BouroullecやGamFratesiが、そして日本においては天童木工さんと飛騨産業さんが賛同してくれ、全く新たなグローバルアライアンスブランド「KOYORI」が2022年に誕生しました。最初のコレクションをミラノのトリエンナーレ美術館で、2年目のコレクションをコペンハーゲンの3daysofdesignで発表し、現在展開国が13ヶ国まで拡大しています。

我々の経営理念である「日本のデザイン・インテリアに関わるあらゆるモノづくりを、事業として成立するかたちで世界へ飛翔させる」という言葉には、関係者の全ての願いと想いが集約されています。この経営理念に共感し、少しずつ仲間も増え、現在のMGBは8名の組織になりました。まだまだ少ない人数でも優れたメンバーが集い、少数精鋭の組織で「maruni」と「KOYORI」という2つのブランドを通して日本のモノづくりを広く海外へ送り届けています。

皆が力を結集して取り組んだ結果、漸く業績も安定し始め、福利厚生の充実などさまざまな課題に取り組めるようになってきました。我々にはまだまだ叶えたい夢や願い、そして日本のモノづくりに対して貢献していきたい事が沢山あります。社員には最高のやりがいを、MGBと協業してくださるメーカーさんとは最高の達成感を共感して頂けるよう、これからも日々一歩ずつ取り組んでいこうと思います。

株式会社マルニグローバルブランディング
代表取締役 神⽥宗俊